彩桐の日記兼・SSリハビリ・鍛錬場です。
戦国・BASARA家・十勇士・女体化・幼少期入り乱れになると思いますので、ご注意下さいませ。
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「ぎぃやぁぁぁぁああああ」
あるよく晴れた日の昼下がり、上田城に男の悲鳴が響き渡る。
「あ?何事だ?」
「今の、十兄の声じゃない?」
「尋常じゃねぇな。行くか?」
「うん。」
「尋常じゃない」と言いつつ、のんびりとした調子で声のした方へ向かう小六と小助。
一方、その絶叫を上げた男は庭の隅で肩を押さえうずくまっていた。
その傍らには女が一人、何故か仁王立ちで立っていた。
「やぁねぇ、十蔵。たかが肩外れた位で情けない。」
「あれ、お前がそんなこと言う?
肩外した張本人が…元親さんにまた一発で見抜かれてムカついて八つ当たりに
体当たりかましてぶっ飛ばして足りないからもう一発殴らせろと
勢い良く引っ張り上げて肩外したお前が言うか!?」
「わぁ十兄、ノンブレス。」
「つーかまだやってんのか甚八。」
「あら、小助に小六。」
うっすら涙まで浮かべ、ノンブレスで抗議する十蔵に対し、
甚八は全く悪びれる様子は見られない。むしろ不満そうですらある。
「まぁまぁ十兄。文句はひとまず、肩を治そうよ。」
そう小助が言った瞬間止まった。
皆が止まった。
むしろ凍り付いた。
「あ、いや、小助、俺は大丈夫!
これくらい自分で戻せるから…!!」
「あ、わ、私のせいだし、私がやるわ!!」
皆が不自然なまでにどもり出す。
体の動きもどこかおかしい。
「え、俺がやるよ?」
「ダメだ小助お前はダメだ!!」
十蔵の特技はどうやらノンブレスのまくし立てらしい。
日々の甚八への愛の告白と言う名のツッコミの賜物であろう。
中々に泣かせる特技である。
「小助、確かにお前は薬の知識が豊富で、真田隊の医師みたいなものだ。
だけど、お前には致命的な欠点がある。」
「こ、小六…」
静かに語り出した小六を甚八は止めようとした。
しかし、それは一瞥の下、拒否された。
そして小六は小助を真正面に見据えていた視線を一度外し、
静かに息を整えた。
そして…
「お前は薬の調合、切り傷の手当以外において、破滅的に不器用なんだよ。」
「!!!」
言ってしまった。今まで誰も言わなかった…
否、言えずにいたことを小六は言ってしまった。
しかし、他の二人は胸の内では「良く言った小六!!」と拍手喝采していた。
それほどまでに小助は不器用なのか。
正確に言うと、小助はそれほど不器用な訳けではない。
ただ、「外れた関節を戻す」ことが出来ないのであった。
以前、主である幸村が戦中にやはり肩の関節を外した事があった。
その時、小助が戻そうとしたのだが、
どうすればそんな事が出来るのか、肩の骨をはめるを通り越し、
突き破り肩から骨を飛び出させたのだ。
それにより幸村は、一日で治る怪我を盛大に一ヶ月引き延ばしたのである。
幸村は、「誰にでも失敗はある、気にするな」と笑っていたが、
周囲の間では「小助に脱臼は触らせるな」という触れが回った。
「小六兄…」
「だがな、練習すればきっと上手くなるぞ。」
「「!!?」」
小六の極上の笑顔とその台詞に、十蔵と甚八は再び凍り付いた。
「ちょ、待て小す……
っぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
この日、十蔵の絶叫は北は奥州、南は河内まで響き渡ったという。
※※※※※※※※※※※※
ただ単に可哀相な十蔵が書きたかっただけです。
ピンポイントで不器用な小助。
ドMなくせにドSな小六。
微妙な影の薄さの甚八。
彩桐忍
あるよく晴れた日の昼下がり、上田城に男の悲鳴が響き渡る。
「あ?何事だ?」
「今の、十兄の声じゃない?」
「尋常じゃねぇな。行くか?」
「うん。」
「尋常じゃない」と言いつつ、のんびりとした調子で声のした方へ向かう小六と小助。
一方、その絶叫を上げた男は庭の隅で肩を押さえうずくまっていた。
その傍らには女が一人、何故か仁王立ちで立っていた。
「やぁねぇ、十蔵。たかが肩外れた位で情けない。」
「あれ、お前がそんなこと言う?
肩外した張本人が…元親さんにまた一発で見抜かれてムカついて八つ当たりに
体当たりかましてぶっ飛ばして足りないからもう一発殴らせろと
勢い良く引っ張り上げて肩外したお前が言うか!?」
「わぁ十兄、ノンブレス。」
「つーかまだやってんのか甚八。」
「あら、小助に小六。」
うっすら涙まで浮かべ、ノンブレスで抗議する十蔵に対し、
甚八は全く悪びれる様子は見られない。むしろ不満そうですらある。
「まぁまぁ十兄。文句はひとまず、肩を治そうよ。」
そう小助が言った瞬間止まった。
皆が止まった。
むしろ凍り付いた。
「あ、いや、小助、俺は大丈夫!
これくらい自分で戻せるから…!!」
「あ、わ、私のせいだし、私がやるわ!!」
皆が不自然なまでにどもり出す。
体の動きもどこかおかしい。
「え、俺がやるよ?」
「ダメだ小助お前はダメだ!!」
十蔵の特技はどうやらノンブレスのまくし立てらしい。
日々の甚八への愛の告白と言う名のツッコミの賜物であろう。
中々に泣かせる特技である。
「小助、確かにお前は薬の知識が豊富で、真田隊の医師みたいなものだ。
だけど、お前には致命的な欠点がある。」
「こ、小六…」
静かに語り出した小六を甚八は止めようとした。
しかし、それは一瞥の下、拒否された。
そして小六は小助を真正面に見据えていた視線を一度外し、
静かに息を整えた。
そして…
「お前は薬の調合、切り傷の手当以外において、破滅的に不器用なんだよ。」
「!!!」
言ってしまった。今まで誰も言わなかった…
否、言えずにいたことを小六は言ってしまった。
しかし、他の二人は胸の内では「良く言った小六!!」と拍手喝采していた。
それほどまでに小助は不器用なのか。
正確に言うと、小助はそれほど不器用な訳けではない。
ただ、「外れた関節を戻す」ことが出来ないのであった。
以前、主である幸村が戦中にやはり肩の関節を外した事があった。
その時、小助が戻そうとしたのだが、
どうすればそんな事が出来るのか、肩の骨をはめるを通り越し、
突き破り肩から骨を飛び出させたのだ。
それにより幸村は、一日で治る怪我を盛大に一ヶ月引き延ばしたのである。
幸村は、「誰にでも失敗はある、気にするな」と笑っていたが、
周囲の間では「小助に脱臼は触らせるな」という触れが回った。
「小六兄…」
「だがな、練習すればきっと上手くなるぞ。」
「「!!?」」
小六の極上の笑顔とその台詞に、十蔵と甚八は再び凍り付いた。
「ちょ、待て小す……
っぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
この日、十蔵の絶叫は北は奥州、南は河内まで響き渡ったという。
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ただ単に可哀相な十蔵が書きたかっただけです。
ピンポイントで不器用な小助。
ドMなくせにドSな小六。
微妙な影の薄さの甚八。
彩桐忍
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