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彩桐の日記兼・SSリハビリ・鍛錬場です。 戦国・BASARA家・十勇士・女体化・幼少期入り乱れになると思いますので、ご注意下さいませ。 感想・コメント等御座いましたら、お気軽にどうぞv
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「ギャ――――――!!」

断末魔の様な、それでいて屋敷全体を震わせる程の大絶叫が付近一帯に響き渡る。
しかし周りは馴れた物で、「あぁ、またか」程度の反応で、日常生活に戻る。

大絶叫を上げた張本人である真田幸村は、この世の終わりが背後に迫っている、
そんな色を浮かべ、自分の屋敷の庭を駆け抜けていた。

「何故だ…!」

自分が何故もこう必死に逃げなければならないのか…
そう自問した。
自問なのだから答えなど外から与えられる筈なのだが、

「何故?アンタそれ本気で言ってるの…?」

地の底を這うようなドスの効いた低い声が、幸村の鼓膜を襲う。
その声を誰の物か認識すると同時に幸村の顔から完全に血の気が失せる。

「さ、佐助…!」

何故追い付いて、という言葉は目に言わせ、走る速度を上げる事に専念しようとするが、何せ相手は…

「忍の脚、ナメてもらっちゃ困るね。」

上げた速度にすら悠然と追い付いてくる自身の忍を
これほど恨めしく、そして恐ろしいと思った事はあっただろうか。

いや無い。

「観念しなよ、今なら許して上げるから」

これ以上ないほど、極上の笑みを浮かべ、追従者・佐助は愛用の甲賀手裏剣に手を掛ける。

「嘘を申せ!じゃあその手の物は何だ!?
殺る気満々ではないか!!」

最早、半泣き状態と相成っている幸村は悲痛に叫ぶ。
そんな幸村に対し、佐助は相変わらずの笑顔で
何時でも手裏剣を閃かせられる様に構えを取る。

「何言ってるの、今なら九割九分五厘殺しで許して上げるって。
俺様、チョーやさしー。」
「殆ど死んでおるではないか!
何か!?五厘の辺りに優しさを感じろとでも言うか!?そうなのか!?」









「Hey,元親、あの二人は何してんだ?
幸村なんてCharacterまで崩壊しちまってるじゃねぇか。」
「あぁ、政宗。
……いや、幸村がな、佐助が用意してた、
俺に出してくれる筈だった茶請けを食っちまったらしくてな……」

真田主従が真剣鬼ごっこをしていた調度その時、
奥州筆頭・伊達政宗が真田の屋敷を訪れていた。
勝手知ったる屋敷を、何時もの様に庭へ回り、
幸村の元へ行こうとした政宗の目に飛び込んで来たのは、
死相を顔に貼り付かせ、必死に逃げる幸村と、
その幸村が最も信頼している部下、佐助が
両手に武器を閃かせ笑顔で追い掛けている
という、奇妙な光景だった。
呆気に取られたまま視線を横にずらすと、
縁側で困惑した表情を浮かべている四国の鬼・長曾我部元親の姿が目に入った。
事情を知っていそうなのも、話し掛けられそうなのも元親しかいないと判断した政宗は元親に話し掛けた。それが先の会話である。






「でも、つまみ食いなんていつもの事だろ?それをいまさ…」
「はい、そこ黙る――――!!」
「「!!?」」

タァン!
という音と共に、政宗の目の前を苦無が走り、すぐ横にある柱に突き刺さった。
言わずもがな、放ったのは佐助である。
それと同時に佐助の脚は止まる。
幸村は此処ぞとばかりに走り去ろうとするが、
政宗の方を向いているにも関わらず、正確に自分の足元目掛け飛んで来た苦無により足止めをされた。
しかし幸村はめげなかった。

「まぁね、今まで放置してた俺も悪いと思った訳よ。
だから此は教育的指導なの。」
「だからって、お前、仮にも主相手に…」

めげずに再び走り出そうとする主目掛け、佐助は跳躍し…

「言っても分からない子には鉄拳制裁!
此、武田流!!」





幻の右踵落としを決めた。




「真田式、じゃねぇのか。」
「ツッコミ所そこかよ。」



「お二方、見てないで助けて下され。」

鬼と竜のボケ倒しにツッコミを入れたのは、
幻の右踵落としを決められ地面と仲良くしていた修羅だった。









‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
佐助に「言っても分からない子には鉄拳制裁!此、武田流!!」
を言わせたかっただけです。
お館様とのやりとりを見て、幸村には鉄拳制裁も有効だと学習した佐助。

幸村、意外とツッコミ出来るんですね(笑)

彩桐忍
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あーん・・・

ぅあーん!



遠くで誰かが泣いてる。
誰か?
違う。
俺は知っている筈だ。
泣いてるあの子どもは…


「   、さま」


伸ばした手は虚しく空を掴む。
泣いているあの子どもの傍に行かないと…
行かせてくれと、必死に手を伸ばしても、
あの子どもとの距離は縮まらない。

「   、さま…   さま!!」








「佐助!!」 

不安に染まった俺にとって最も馴染みのある顔が、正に目と鼻の先に在った。 

「だ、んな…?」
「よ、良かった…。」

不安の色が少し薄れたものの、相変わらず心配そうな様子で馴染みの顔…旦那は姿勢を正した。


「俺…あれ?」
「覚えて、おらぬのか?」


漸くはっきりとしてきた思考を巡らせる。
ついでに目線を周囲に巡らせると、どうやら俺は旦那の部屋の隣に宛がわれた自室に寝かされていたらしい。
あぁ、そういえば、戦の最中に旦那庇って一撃喰らったっけ…。
あー、何か腹痛いわ。
それでも、言う事は言わないと、と痛む体を無理矢理起こす。 

「いくら咄嗟だったとは言え、主様の前で至らぬ故の醜態…。如何様なる処罰も謹んでお受け致します。」 

そういって額ずく。
額ずきながらも、この『ご挨拶』もご無沙汰だったなと思い起こす。 


「……そうだな。血濡れたお前を見て、肝が冷えた。あの様な思いは二度と御免だ。」 

まだ少年の面影が残る声を聞きながら、
あぁそれでも大きくなったな、と場に不相応な事を考えながら次の言葉を待つ。

「半月暇をやる。その間に此度の失態反省せよ。」

この『挨拶返し』もまた久しぶりだな。
そして大体この後に続くのは…

「しっかり養生して、一刻も早くこの幸村の『隣』に戻って来い。」
「御意。」


「『挨拶』はこれくらいにしておくか。」

その言葉を合図に、俺は姿勢を元に戻す。
戻した時に腹に走る傷がズキリと痛んだ。

「そうですね。
ところで旦那…さっき泣いてました?」

旦那は一瞬呆気に取られた表情で瞬目した後、少し戸惑った笑みを浮かべる。

「いや、泣いてなどおらぬが…」
「そっか…」
「何か夢でも見たのか?」
「うん、なんか悲しくて、でも…」

歯切れの悪い物言いの俺の言葉の続きを、旦那は静かに待ってくれる。
あぁ、やっぱり大きくなったんだな。
昔なら… 


昔なら…? 



あぁ、そうか… 





「懐かしい夢、だったよ。」







‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
怪我して倒れた佐助が昔の夢を見るってのを書いてみたかっただけ…ですorz
意味分からなくて、ほんとスミマセン。もっと鍛練します…!!

彩桐忍
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